美容クリニックで施術を受ける際、多くの人が注目するのが「支払い方法」。特に高額になりがちな医療脱毛や美容整形などでは、クレジットカードの利用ができるかどうかは重要なポイントです。
しかし、実際には「このカードは使えません」「この施術にはカード利用ができません」といった案内をされるケースも珍しくありません。
ではなぜ、使えるクレジットカードに制限があるのでしょうか？この記事では、その背景にある仕組みや理由について解説します。
クレジットカードが使えるクリニックと使えないクリニックがあるのはなぜ？
まず前提として、美容クリニックでクレジットカード決済を導入するには、各カード会社または決済代行業者との契約が必要です。
この契約内容や条件、さらには施術の種類によって、クリニック側が「使えるカードの種類」や「カードの使える施術内容」を限定していることがあります。
その結果、
- 院によって使えるカードブランドが異なる
- 施術の内容によってカードが使えたり使えなかったりする
- 同じクリニックでも院ごとに取り扱いが違う
という現象が起きているのです。
なぜカードブランドによって利用制限がかかる？
カードブランドによる制限は、大きく以下の4つの理由に起因します。
1. 加盟店手数料の違い
クレジットカードを導入する際には、クリニック側がカード会社に対して「加盟店手数料」を支払う必要があります。
この手数料率はカード会社によって異なり、中には比較的高い手数料を設定しているブランドもあります。
その結果、
- 利用者が多いカードだけに絞る
- 手数料が高いカードは対象外とする
という判断をするクリニックもあるのです。
2. 施術の性質が高リスクと判断されることも
自由診療である美容医療（特に整形や脱毛）は、カード会社や信販会社にとって「返金やキャンセルのトラブルが多いリスク商材」と見なされることがあります。
そのため、
- 一部のカードブランドでは加盟店登録自体が通らない
- 特定の施術に対してカード決済の利用を制限される
というケースが存在します。
3. カード会社ごとの独自ルール
各カード会社には独自のポリシーや業種制限があります。
たとえば「医療関連でも自由診療（保険外）の分割払いは制限する」といったケースや、「一定金額を超える高額決済には別途申請が必要」といった内部ルールが存在します。
これにより、
- 分割やリボ払いができない
- カードそのものが利用不可になる
という制限が課されることがあるのです。
4. クリニック側のトラブル防止策
実は、カードが使えない理由の一部は、クリニック側が自主的に「使えないようにしている」ケースもあります。
理由はさまざまですが、主なものは以下の通り：
- キャンセル・返金時の対応が複雑になる
- チャージバック（利用者からの異議申し立て）で損失が出る
- 高額施術での一括決済を避けるため
このような理由で、特定のカードブランドをあえて制限しているクリニックも存在します。
施術内容によってカード可否が変わる」という点です。
たとえば、
- 脱毛や豊胸など高額かつトラブルが発生しやすい施術
- メスを使う外科的処置
- 返金リスクが高いプラン
などは、決済リスクが高いとみなされることが多く、
「同じクリニックでも、ある施術では使えて別の施術では使えない」
ということが普通に起こります。
電子マネー・QR決済が使えない理由も同様
最近ではQRコード決済や交通系ICカードなどを利用する人も増えていますが、美容クリニックではこれらが使えないことも多くあります。
その理由も前述の通り：
- 導入コストが高い（複数ブランドの端末対応が必要）
- トラブル時の顧客対応が煩雑
- 高額決済に向いていない
このような背景から、電子決済をあえて導入しないクリニックも少なくありません。
支払いで困らないためにできること
せっかくカウンセリングを受けて「これにしよう！」と決めたのに、「そのカードは使えません」と言われてしまっては、がっかりしてしまいますよね。
そのようなトラブルを防ぐために、以下の点を事前にチェックしておきましょう。
- 利用予定のクリニックで使えるカードブランドを確認
- 施術ごとのカード対応可否を確認（脱毛・豊胸など）
- 分割払いが可能か（その場で設定可能か、後日申請か）
- 医療ローンや現金支払いへの切り替えができるか
まとめ
カードが使えないと「なんで？」と疑問に思うかもしれませんが、多くの場合は仕組みやリスク、契約条件の違いによるものです。
大切なのは、「事前に確認すること」。
クリニックの公式サイトを確認する、問い合わせて聞いてみるなど、少しの準備で支払いトラブルを防ぐことができます。
これから美容医療にチャレンジしたいという方は、ぜひ支払い方法にも意識を向けて、安心できる環境を整えてくださいね。
